「腸腰筋」って聞いたことがあるけど、よくわからないという人は必見!ヨガを行う際にいろいろなポーズで重要になる筋肉のひとつです。まずは腸腰筋がどこにあり、どんな働きをしているのかからチェックしてみましょう。
姿勢を安定化させている腸腰筋
腸腰筋は、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋肉の総称です。腰から太ももの付け根に左右対称についてる筋肉。大腰筋と小腰筋は、胸椎から腰椎にまたがっており主に股関節を安定にしています。一方、腸骨筋は背骨に付着しておらず脚を上げたり振り出す時に働きます。腸腰筋全体としては、上半身と股関節をつないで姿勢の維持、歩行や走行などに大きく関係しています。
デスクワークなどでずっと同じ体勢をしていると腸腰筋が縮んで硬くなってしまい、それが原因で腰痛が起こることも。少しの段差でつまずきやすい人は、腸腰筋が弱いため太ももの引き上げがうまくいっていないかもしれません。
腸腰筋を伸ばす時は、腰への負荷に注意
ヨガをおこなう際に腸腰筋が縮んだままポーズをとると、腰椎(腰)を必要上に反ってしまうことががあるので注意しましょう。(前面が伸びないと背面である腰に負荷がかかるため)せっかくヨガをしているのに腰痛の原因になってしまいます。特に腸腰筋が伸びるタイプのポーズは骨盤の後傾を意識してみてください。具体的には、尾骨を少し内側に引き込むようにします。腰の後ろが反りすぎず、少し平らになるようなイメージです。後傾を意識すると驚くほど前側(腸腰筋)がつっぱる(伸びる)感覚があると思います。それでOKです!伸ばしすぎて腰を反ってしまったら意味がありません。
腸腰筋を伸ばすポーズ
三日月のポーズ(アンジャネアーサナ)
腸腰筋を伸ばす代表的なポーズ。ただ腰を反りやすいポーズでもあります。一般的には腕を上げたり上半身を後屈しますが、まずは下半身だけ行ってみましょう。重心を下げながら後ろに伸ばした脚の付け根(腸腰筋)をゆっくりと伸ばしていきます。前に出した膝に重心をかけすぎないように。膝が鋭角に前に出ていないかチェックしてください。
橋のポーズ(セッツバンダアーサナ)
上方向に腸腰筋を伸ばすポーズのため、腸腰筋を鍛えるだけでなく臀筋などにも効果的です。ポーズを行う際、一気に胸まで開いてしまうのではなく、腸腰筋が十分伸びてから腕を後ろで組んで胸を開いていきましょう。両足でしっかりと床を踏むことも大切です。
ラクダのポーズ(ウシュトラアーサナ)
腸腰筋を含め身体の前面を伸ばすことができるポーズです。手で足を持とうとするあまり身体が後ろにスライドしてしまいやすいので、ヨガブロックなどを使うのがおすすめです。無理せず自分のレベルに合わせてください。胸の中心を天へ突き上げるようにすると前面(腸腰筋)が伸ばしやすいでしょう。ただ骨盤を前に出し過ぎすると恥骨部分に負担がかかりすぎるのでバランスを見ながらおこなってください。
腸腰筋を縮めるポーズ
ナバーサナ
腸腰筋を収縮させるポーズのひとつ。腸腰筋が分かりにく場合は、下腹を引き込むイメージで。引き込む時に背中が丸まらないように注意してください。背筋をまっすぐして胸をアップさせます。目線を少し上げることで背筋が伸びやすいでしょう。
ダンダーサナ
ただ脚を前に伸ばして座っているだけに見えますが、意外に難しいポーズです。ナバーサナ同様に下腹を引き込み背中をまっすぐにします。かかとで前方をプッシュして骨盤を立たせるのがポイント。手はサイドの横につき、床を少しプッシュすると背筋が伸ばしやすいでしょう。