上半身の中で特に大きくパワフルな筋肉である「広背筋」は、いろいろなヨガのポーズに関係しています。しかし体幹などに比べて意識されることが少ないのではないでしょうか。腹筋などの前側の筋肉と同様に、背面の筋肉も重要です。本記事では、広背筋の働きと練習方法についてご紹介します。
広背筋は、肩関節の可動を制御する筋肉
広背筋は、背面の中でも特に大きな筋肉です。骨盤から肩甲骨そして上腕骨まで繋がった三角形状の筋肉で、肩関節の伸展、内転、内旋をおこなう時に使われます。例えば、自分の方に物を引き寄せる時や上下に腕を引っ張る時など。「懸垂」などをイメージするとわかりやすいかもしれません。女性はもともと男性に比べて上半身の筋肉量が少なく、日頃意識して使っていないと、広背筋は弱くなってしまいがちです。
広背筋が衰えると姿勢が正しくキープできないことから、猫背や腰痛になることも。その逆で広背筋を鍛えると、美しい身体のラインやくびれを作ることができます。
広背筋を使うヨガポーズ
広背筋はヨガをおこなう際にも非常に重要な筋肉です。以下に広背筋がポイントになるヨガポーズをご紹介します。普段何気なくやっているポーズも、筋肉(広背筋)が使われているどうかを意識しておこなってみてください。同じポーズでも効果が異なってきます。
チャトランガ
背中(広背筋)から脇の下(前鋸筋)へぐっと押し出すように手で床をプッシュしましょう。このプッシュする動作が大切です。これらの筋肉を使っていないと、脇の力が抜けて肩がすくんでしまいます。脇を軽く締めて背面から押し出すイメージです。
またプランクから肘を曲げる際に、後ろに曲げるのではなく、少し身体を前にスライドさせ肘が手首より後ろに来ないようにしましょう。
橋のポーズ
身体が柔らかい人に多いのですが、腰からアップしてしまうと腰を痛める原因になります。まずはお尻を上げる時に太ももの付け根あたりをしっかりと伸ばしましょう。(骨盤は少し後傾に)胸を一気に上げるのではなく、お尻がしっかりアップしてから段階的におこなうのがポイントです。骨盤を前傾して腰で反ってしまうと広背筋に力が入らないのです。お尻が上がったら、胸を広げるようにして胸の中心を顔に近づけるようにしましょう。
広背筋を鍛える練習方法
その① ダンベルベントオーバーロウ
足は肩幅に開き、少し腰を落とします。この時、膝がつま先よりも前に出ないように少しお尻を引きます。上半身は前に少し傾けて、お尻を後ろに突き出します。
ダンベルを持った腕を真っ直ぐ後ろに引くようにアップします。肩がすくまないように耳と肩は遠ざけて鎖骨を真横に広げるようにしましょう。ダンベルを戻す際もゆっくりと。無理がない程度にアップダウンを繰り返します。
その② ワンハンドロウ
まずは四つん這いになります。
四つ這いから片方の足を真っ直ぐ後ろに伸ばします。伸ばした脚とは逆の手でダンベルを持ち、肘を後ろに引くようにアップします。肘を真っ直ぐ後ろに引くのがポイントです。また床についた手でしっかりとプッシュして身体全体が傾かないように意識してください。腰が反りやすい人は、こちらのやり方の方がいいかもしれません。