ヨガでは決められたポーズをおこないますが、見た目だけ気にするだけでは本当の意味でうまくなっていきません。何となくできているようでもアライメントが崩れていると、練習する際に身体を痛めたり、難しいポーズにつながっていきません。
今回は「大転子」という身体のパーツに注目しました。大転子をどう意識すればいいのか、ポーズをとる際のポイントなどをご紹介します。
大転子とは?
「大転子」とは、筋肉ではなく骨の部分の名称。大腿骨(太ももの中心で股関節と連結)の外側の出っ張り部分を大転子と呼びます。脚を前後に動かした時に動く部分の外側あたりです。あまり普段は意識することはないと思います。自分の大転子がどこなのか、一度チェックしてみると良いでしょう。
ただ人によってはこの大転子がボコっと外に出ている人がいます。外側にあるのでわかるくらいはいいのですが、出っ張りが大きすぎると外ももが張ってきてしまいます。太ももが痩せにくい人や下半身のむくみがある人にも多いかもしれません。
では、なぜ大転子が出っ張ってしまうのでしょうか。出っ張っているため股関節が外旋して開いていると思うかもしれませんが実は逆。股関節が内旋し、大腿骨が内側に歪んでいるのです。普段の生活で脚を組んで座ったり、内股で歩いていると知らないうちに内旋しています。
大転子を意識したいヨガポーズ
大転子はヨガのポーズをとる上でも非常に重要です。大転子の位置つまり股関節の位置を意識することで正しいポーズがやりやすくなります。以下に、特に大転子を意識したいヨガポーズをご紹介します。
ヴィラバドラーサナ1(戦士のポーズ1)
後ろ側の脚に意識が行きがちですが、踏み込む側の脚も大切。後ろにひいた脚側の骨盤が開きやすいので、骨盤を正面にと注意されることがありますが、この時、踏み込む側の脚の大転子を意識してみてください。大転子をぐっと後ろ側に回すのです。そうすると自然に骨盤(股関節)の位置も正しくなります。
ヴィラバドラーサナ3(戦士のポーズ3)
軸足のつま先と膝がきちんと前を向いているでしょうか?つま先が内側に入ってきてしまうことがよくあります。つま先が内側に入るのは軸足の骨盤が内側に入っているから。
まずは、膝を軽く曲げた状態で大転子を坐骨の方でぐっと後ろに回します。(ピンと伸ばすと骨盤が固定されてしまうため)そうすると自然に膝もつま先も正面になります。そして、大転子を回したまま、親指側で床をしっかり踏みます。その状態で膝上の筋肉を引き上げて膝を伸ばしましょう。膝下は内側で床を押し、膝上は骨盤が内側に入らないように骨盤を外旋するのです。膝の上と下で逆の動き方をするイメージです。