骨盤は、上半身と下半身をつなぐ身体の要であり、正しい姿勢を保つためにも大切な部分です。ヨガのポーズでは、骨盤のいろいろなポジションがあります。はじめは骨盤が硬く思うように動かないこともありますが、ヨガをすることで骨盤の柔軟性を高め、日々の姿勢の癖やゆがみなどを解消できるようになります。
骨盤の前傾と後傾
骨盤は、前と後ろに傾くことがあります。それぞれ「前傾」「後傾」と呼びます。正しいと言われているのは「やや前傾」。前に傾きすぎても、後ろに傾きすぎても、正しい姿勢を保つことができません。まずは自分の骨盤がどのように動いているかを意識することから始めましょう。
前傾の特徴
骨盤の前傾とは、いわゆる「反り腰」や「出っ尻」のこと。腰が反りお尻が出っ張ります。全身では少し前のめりになり、内股になりやすくなります。一般的に女性は前傾していることが多いと言われています。
骨盤の後傾
後傾は、骨盤が後ろに傾くことでお尻が前に出て、そのため下腹が前に出てしまいます。また背中が丸まり猫背になるのも特徴です。下半身では膝が本来の位置よりも後ろになりやすく、そのためハムストリング(もも裏)が硬くなります。高齢の人にも多い姿勢です。
骨盤の位置が大切なポーズ
次に紹介するヨガポーズは、とくに骨盤の前後の傾きがポイントです。骨盤の傾きを意識しながらトライしてください。人によって体の形が異なりますので、痛みなどがあるときは無理をせずにおこなってください。前後の柔軟性をあげながら、骨盤まわりの筋肉を鍛えていきます。
牛の(カウ)ポーズ
骨盤の前傾がわかりやいポーズです。骨盤は前傾しますが、背中を無理に反ると腰を痛めてしまいますので注意が必要です。腰の一箇所に力を入れるのではなく、背骨全体を反るようにしましょう。猫のポーズとセットで呼吸にあわせておこなうのがおすすめです。反り腰や猫背に効果があるといわれています。
猫の(キャット)ポーズ
猫背の人やデスクワークで肩が内側に入りやすい人におすすめのポーズです。息を吐きながら背中の丸め、上へ引っ張られるようなイメージでお腹を覗き込みます。首から背骨、尾てい骨をひとつひとつゆっくりしなやかに動かしていきましょう。腰は後ろにひかないように気をつけます。また牛のポーズとあわせておこなうときは、背骨と骨盤を連動させるのがポイントです。
ダウンドックポーズ
背中が丸まり骨盤が後傾になりやすいポーズです。骨盤を少し前傾にする意識で尾骨を上に向けるようにします。ハムストリング(腿裏の筋肉)が硬いと十分に伸びず、骨盤がうまく前傾しません。そんなときは、膝をまげるとやりやすいでしょう。お尻をぷりっとさせることをイメージしてください。また背中はまっすぐにして、反りすぎないようにしましょう。
ダンダーサナ
脚をのばして座るという一見簡単ですが、正しくポーズをとるには筋力が必要です。お腹の力がぬけ、背中が丸まってしまうと骨盤は後傾になります。体幹に力を入れ、骨盤を水平に立て坐骨で座るように意識しましょう。
ハイランジ
骨盤が前傾になり腰が反りすぎてしまうことが多いポーズです。骨盤は前傾にするというよりは、立てて前へ押し出すイメージです。胸をひらいて後屈しようとするあまり、腰の後ろに負荷がかかりすぎることがあるので注意しましょう。