大腿筋膜張筋は太ももの外側にある筋肉ですが、ピンとこない人も多いでしょう。大きな筋肉ではありませんが、股関節の働きに大きく関係しており、ヨガのポーズでもキーポイントになる筋肉といえます。収縮して硬くなるといろいろな不具合も出るため、意識的に鍛えたりストレッチをおこないましょう。
本記事では、大腿筋膜張筋の働きとヨガのポーズでどのように使われているなどをご紹介します。
大腿筋膜張筋と体の関係
大腿筋膜張筋は太ももの一番外側にあり、腸骨陵の外側前部からはじまり腸脛靱帯として膝下の外側まで位置しています(股関節と膝関節の2つの関節をまたいでいる)。腸脛靱帯自体はあまり伸縮しませんが、大腿筋膜張筋が収縮することで股関節を曲げたり外に開いたりすることができます。つまり大臀筋や中臀筋、小臀筋と連携して、股関節の外転や屈曲、内旋・外旋などの働きに関与しているのです。腸腰筋も股関節の動きに関係していますが、大腿筋膜張筋はとくにまっすぐ前方へ脚を上げるなど調整的な役割を果たしています。
また筋肉名称に「筋膜」とついていますが、大腿筋膜張筋は大腿部分の筋膜につつまれています。そのため大腿筋膜張筋が過度に緊張状態が続くと大腿全体の筋肉の緊張にもつながり、太ももが張ってしまうことがあります。
大腿筋膜張筋の緊張が様々な不具合に
大腿筋膜張筋に過剰に力が入って硬くなってしまうと、様々な症状が出ることがあります。たとえば、大腿筋膜張筋が収縮し、その影響で腸脛靱帯が吊り上がることで靱帯や膝関節の外側に炎症が起こったり、骨盤の前方が引き下がり骨盤が前傾になることで反り腰になったり、いろいろな不具合が起こることがあります。
- O脚やがに股
- 反り腰
- 腰痛
- 外腿が張っている
- ランニングで膝が痛い
大腿筋膜張筋を使うヨガポーズ
大腿筋膜張筋が硬くなっていると困難なポーズにパドゥマーサナがあります。パドゥマーサナは股関節の外旋しなければいけませんが、脚が組めなかったり、組めても深く組めない人は大腿筋膜張筋の萎縮してポーズに制限がかかっている可能性があります。また大腿筋膜張筋だけでなく大臀筋や中臀筋もほぐしておくとよりやりやすくなると思います。
その他、アルダチャンドラーサナも大腿筋膜張筋を使うポーズです。大腿筋膜張筋を収縮させることで上げた脚を安定化させています。ただ脚を上げるのではなく、大腿筋膜張筋を意識してみてください。どんな筋肉も意識することで使うことができるようになります。ポーズの際はつま先を前に向けて体側にそって脚を伸ばしましょう。足をフレックスにして指を開くとより大腿筋膜張筋に力を入れやすくなります。