内転筋群の1つである恥骨筋。使うことが少なくまた意識することも少ない筋肉ですが、ヨガのポーズをとる上でもとても大切な筋肉の1つです。もちろんヨガのスキルアップだけでなく、鼠蹊部の血行促進など身体へのよいメリットもたくさんあります。
本記事では、恥骨筋の働きやヨガをする際の意識の仕方、ストレッチ方法などをご紹介します。
恥骨筋とは?
「恥骨」は聞いたことがある人が多いと思いますが、「恥骨筋」はあまり知られていないでしょう。「恥骨筋」はその名の通り恥骨に付着した筋肉。股関節から大腿骨にかけてある内転筋群の1つです。いわゆる股から内ももにかけての筋肉をイメージするとわかりやすいと思います。
恥骨筋が硬くなると鼠蹊部の血行が悪くなり、ホルモンバランスに影響することがあります。女性にとってホルモンバランスは体調不良の原因になったり、その乱れはお肌や美容の大敵といわれています。恥骨筋などの内側の筋肉は普段の生活ではあまり使うことがないため、意識的にストレッチしたり鍛えるようにしましょう。
恥骨筋を意識したいヨガポーズ
恥骨筋が使われたヨガポーズと言ってもピンとこない人が多いかもしれません。たしかにそれほど大きな筋肉ではありませんが、恥骨筋をしっかりストレッチすることで、アライメントの完成度が上がります。本記事では、2つのポーズをご紹介します。恥骨筋がしっかり伸びるようになると開脚系のポーズもやりやすくなるので、ぜひトレーニングしてみてください。
片足のダウンドッグ
このポーズでは、上げた脚に意識が行きがち。挙げた脚の股関節を開くのでストレッチが効いて気持ちがいいのですが、この時、下の脚が上の脚に引っ張られていないでしょうか。上の脚に引っ張られると、下側の膝が少し内側に入りやすくなります。つまり下側の脚の位置が少しずれてしまう(内旋してしまう)のです。とくに股関節を大きく開くとなりやすいでしょう。
下側の軸脚が非常に大事です。膝や足先は正面を向けて、しっかりと軸足の膝から上を外旋させます。大転子を坐骨に寄せるイメージです。そうすると上側の脚を開けば開くほど、恥骨筋が伸ばされます。
チャパーサナ
このポーズは片足のダウンドッグと考え方は同じ。ただ片足だけでバランスをとる必要があるので、さらに軸足が重要になってきます。恥骨筋が硬いとつま先が内側に入りやすいでしょう。軸足は膝下と膝上で意識を変えます。膝下は母指球(親指側)で床をしっかり踏み、膝上は思いっきり外旋します。股関節が左右に凱旋されることで、恥骨筋がしっかり伸びるのです。
恥骨筋がポイントになるヨガポーズ
- 片足のダウンドッグ
- チャパーサナ
- 戦士のポーズ
- ナタラージャーサナ
恥骨筋のストレッチと筋トレ
恥骨筋が硬い場合、時間をかけていきましょう。まずはお風呂上がりなどにストレッチなどをして、少しずつ伸ばすようにします。無理に伸ばすと筋繊維が切れてしまうので、焦るのは禁物です。徐々にやわらかくしながら、今度は伸ばすだけでなく力を入れて筋肉を鍛えていきましょう。