ブリッジがうまくできないという人には、いくつかの原因が考えられます。何度も練習することは大切ですが、できないポイントを見極めることも大切です。本記事では、いくつかある原因の1つである「前面へのアプローチ」を中心にご紹介します。
意外に見落とされている前面の伸び
ブリッジができないとき、腕でアップしようとしていませんか。また腰を反ることばかりに集中していないでしょうか。確かにブリッジは後屈ポーズのひとつですが、後屈は後ろへ反ることと同様に前面を伸ばしていくことが非常に大切です。背面が縮むということは、逆サイドが伸びることが不可欠だからです。脚の付け根あたり(腸腰筋)から胸にかけてアーチ状に伸びることでブリッジがやりやすくなります。
メモ
ブリッジが初めて成功した時、腹部(お腹の前あたり)が裂けるように伸びて痛かった記憶があります。普段デスクワークで前に丸まるような姿勢が多く(上半身の前面が縮まっている)、胸を広げたり、腹部を伸ばす機会が少ないからかもしれません。そんな人は意識的に前面を伸ばすと良いでしょう。
ヨガでは前面の伸びがポイントなポーズがいくつかあります。次にあげる3つのポーズが苦手な人は、前面の伸びが足らない可能性があります。ぜひブリッジする前にこれらのポーズで練習してみてください。またやり方が間違っていないか、今一度チェックしてみてください。
ハイランジ
大切なのが、骨盤の位置です。できる限り骨盤を後傾にしましょう。骨盤が前傾のままだと後屈する際に腰を痛めてしまいます。具体的には尾骨を巻き込み、お尻の穴が床側に向くようにします。伸ばした側の脚の付け根に伸びを感じるはずです。そして、付け根から腹部にかけても伸ばすように胸の中心を斜め上へ引き上げていきましょう。目線も少し上にすると良いでしょう。両手の親指をフックして、後ろの壁を押すように後方へ伸ばすとさらに伸展していきます。
ハイランジの基本は両手を天井側へ上げるだけですが、自分のレベルに合わせて後屈を深めていくことができます。個人的な意見ですが、腰に無理な負荷をかけないで前面を伸ばすのにピッタリなポーズだと思います。
ラクダのポーズ(ウシュトラアーサナ)
このポーズも腰を痛めやすいので注意が必要です。特に無理をして手を足につかないようにしましょう。前面が伸びない状態で手だけつくと、体重が後ろにかかったり、腰で後屈してしまいます。難しければ片手だけでもOK。またつま先を立てておくと良いでしょう。
こちらも腰に負荷がかからないように、尾骨を内側へ入れ、腰の後ろを少し丸めるようにします。その上で、前面を伸ばして弓のようにしならせていきます。この時、必要以上に恥骨を前に押し出しすぎないように注意してください。
橋のポーズ(セッツバンダアーサナ)
お尻を上げるのと同時に胸を開いて後屈する人がいます。この方法だと胸は開くのですが、脚の付け根が十分に伸びていない可能性があります。まずは、お尻を十分にアップすることを意識してください。両膝は開かないように内ももに力を入れます。両腕を背中で組んで胸を開く際に腰を反りがちなので、最初はお尻をアップしてキープすることだけに集中して練習するのがおすすめです。十分に腸腰筋が伸びてから、胸を開いてゆくとポーズの完成度が上がります。