前の記事では腸腰筋をストレッチする方法をご紹介しましたが、伸ばすだけではダメです。十分ストレッチして柔軟になって筋肉を、今度は収縮することでさらに鍛えることが大切です。本記事では、腸腰筋を鍛える練習方法を3種類ご紹介します。
今回ご紹介する方法は全て壁を使う練習です。壁がサポートしてくれるので、初めての方でも比較的やりやすいでしょう。練習方法1と2に関しては、壁なしでおこなうとさらに強度が上がります。
練習のポイント
これら3つの練習方法はどれも腸腰筋を縮める力を強化させるものです。具体的には、脚の付け根あたり(コマネチライン)を引き込む力が必要になります。脚を骨盤側へ引き入れるようなイメージです。背筋を伸ばして下腹に力を入れてトライしましょう。
練習方法1
一見簡単そうに見えますが、やってみるとなかなか難しい練習です。まずは壁から少し離れて壁側を向いて立ちます。両手を腰に当てて片足をゆっくりと持ち上げ、床と並行になるくらいまでアップします。アップした足の裏は壁に着いてOKです。ポイントは、脚の付け根のところから動かすこと。付け根をグッと引き込むようにすると安定します。壁を使うことでキープしやすいと思います。
軸足の膝が曲がりやすいのですが、できる限りまっすぐに伸ばしてください。軸足は膝を正面にして足の裏でしっかりと床を踏み締めます。また内ももでアップするイメージでおこなうと腸腰筋だけでなく内転筋を鍛えることもできます。
慣れてきたら壁がないところで同じことをやってみてください。
練習方法2
シルシャーサナの練習としてもおすすめの方法です。壁を後ろにして、膝をついて座ります。両手の指を組み後頭部を包みます。頭頂より少し前あたり(人によってポイントは異なるので調整してください)を床に着けます。足で壁をつたっていきお尻の高さくらいアップします。
この時、背中側が丸まりやすいのですが、背筋はまっすくにしたままを意識してください。練習方法1と同様に脚の付け根をグッと引き込みましょう。
シルサーシャナでは、壁がない状態でおこない脚をどんどんアップさせていきます。シルシャーサナで足が上がらないという人は、この練習で脚の感覚をつかむのもおすすめです。
練習方法3
今回ご紹介する練習の中で最も難易度が高い方法です。まずは、壁を後ろにしてダウンドックをおこなってください。手と足の幅は通常よりも狭めにしましょう。ゆっくりと足を壁につたわせてお尻の高さまでアップします。形は練習方法2と似ています。顔は壁側を向けておき、両手でしっかりと床をプッシュします。横から見て「く」の字になっていればOKです。
体勢がきつい人は、手を壁から少し離したり、足を高めに上げるとやりやすくなります。
基本の形ができた人は、その状態から片足ずつ天井側へアップして10秒ほどキープします。この練習ができると2点倒立などの安定感もアップします。