誰もが知っている前屈。しかし、本当に正しくできているでしょうか。前に倒れることばかり意識していないでしょうか。簡単ですが間違っている人が意外に多いポーズです。間違ったやり方を継続しても効果は得られません。本記事では、前屈(座位)の正しいやり方を詳しくご紹介します。
前屈以外の練習方法は、以下の記事をあわせてご覧ください。
基本の前屈ができているかチェック
まずは普段どのように前屈しているか、自分のやり方をチェックしてみてください。できれば写真などを撮って客観的に見るのがおすすめです。(自分が思っている体勢ではない場合もよくあるため)
NGポーズ
足をつかもうとするあまり背中が丸まることが多いので注意しましょう。背中が丸まると、お腹の周りに空間ができ顔が下を向いてしまいます。リラックスを目的とする場合はいいのですが、ハムストリングを伸ばしたい場合はNGです。
正しいポーズ
ダンダーサナできちんと座ることから始めてください。ダンダーサナで座った時に、坐骨を立てるようにしましょう。坐骨が床に刺すイメージで床をプッシュします。坐骨を立てることで自然に背筋がすっと伸びます。
正しい体勢からゆっくりと前に上半身を倒していきます。背筋は真っ直ぐに伸ばしたまま。お腹を引き込むことが大事です。お腹を引き込むとお腹と胸は太ももに近づいてきます。この時、顔は下げず足の先を見ておくと背中が丸まらないでしょう。かかを前にぐっと出すことで膝の裏が伸びていきます。
大切なのは、無理に上半身を倒しすぎないことです。背中が丸まるようであれば上半身の倒す角度は浅くて大丈夫。膝裏が伸びづらい場合は、最初は少し膝を曲げておき上半身を少し倒してから(この時に背中が丸まらないように注意)、徐々に膝裏を伸ばしていきましょう。
ポイント
- 背中を真っ直ぐにして倒れる
- 坐骨を床にプッシュ
- 膝下を床へプッシュ
- かかとを前に出してフレックスに
- お腹を引き込む
- 胸から倒れる
- 顔よりもあごをすねに着ける
メモ
手の位置はどこがベストか?
レッスンでは足の親指を持つもしくは足の裏に手をかけるようにガイドされることがありますが、無理やりつかむのはNG。背中が丸まってしまうようであれば、手は身体の横の床もしくは脚の両側に着くだけで十分です。脚の両側に置く場合は、脇をしめて手のひらで床を引くようにすると(肘を後ろに突き出す)背中が丸まるのを防げます。
前屈のバリエーションに挑戦
座位の前屈と言っても、さまざまなバリエーションがあります。次に4つのバリエーションをご紹介します。ハムストリングの伸び方が違ったり、ハムストリング以外の部分もストレッチすることができるので試してみてください。
※どれのバリエーションも両脚均等に行なってください。
バリエーション その1
片方の膝を曲げ片足のかかとを恥骨に近づけます。前屈の方法は、基本と同じです。おそらく両脚を伸ばすよりも前に倒れやすいでしょう。前屈が苦手な人は片方ずつ練習してみるのもおすすめです。
バリエーション その2
片方の膝を曲げてもう片方の膝にかけます。膝と膝が上下になるくらいにある程度深くかけます。かけた足の甲は床に着けるようにしましょう。そのまま前屈していきます。片足をかけているので下側の膝が浮かないようになり、両脚を伸ばした時よりもハムストリングが伸ばしやすいでしょう。
バリエーション その3
片方の膝を曲げて足を股関節側に引き寄せ、付け根のところにかけます。(蓮華座をする時のように)かけた脚の太ももを床へ落とすようにします。下腹を引き込むように前屈してください。このやり方も膝が浮きづらく、またハムストリングだけでなく、かけた脚の太ももをストレッチすることもできます。
バリエーション その4
片方の膝を曲げてお尻の横に置きます。その際、足首は曲げず足の甲を床に着けるようにしてください。すねはなるべく太ももに沿うように。背筋が曲がらないように真っ直ぐ伸ばして、同じように前屈しましょう。太ももの前を伸ばすことができます。