女性であれば「骨盤底筋」という言葉を一度は耳にしたという人も多いのではないでしょうか。なんとなく知っているけど、どうトレーニングしたらいいのかよくわからないという人もいるかもしれません。尿漏れなどの原因とも言われています。
本記事では、骨盤底筋群とはどういう筋肉なのか、またどうやったら鍛えられるかをご紹介します。
骨盤底筋群とは?
骨盤底筋群(骨盤底筋)とはその名の通り1つの筋肉ではなく、骨盤の底にある筋肉の総称です。骨盤の底には骨などがなく、骨盤底筋群がちょうどハンモックのような形で子宮や膀胱など臓器を下から支えているのです。大きくは3つの層から成っています。第一層(浅い層)、第二層(中間の層)、第三層(深い層)といくつもの筋肉が層になって構成されています。括約筋や肛門筋などそれぞれ役割がありますが、細かく鍛えるのは難しいので骨盤底筋群全体をイメージしてみることからはじめましょう。
骨盤底筋群の働き
- 骨盤や脊柱など骨を支えて姿勢を安定にする
- 臓器を正しい位置に保つ
- 尿道を締めるなど、排泄をコントロールする
- 性機能に関係する
加齢や出産などで緩んでくる
骨盤底筋群は上記のようにいろいろな働きを持っていますが、衰えると臓器が下がってきてしまい尿道を締める力が弱くなり尿漏れがおこります。40代くらいになるとくしゃみやお腹に力を入れた際に尿漏れするという女性も多いと思います。とくに女性は子宮があるので骨盤底筋群は衰えやすい傾向があります。また尿道も男性より短く、腹圧がかかると緩んで尿漏れなどの症状が出てきます。症状がひどくなると臓器が膣から出てきてしまう「骨盤内臓器下垂」「骨盤内臓器脱」がおこることもあるとか。またそこまで行かなくとも腰痛やぽっこりお腹、便秘などにもつながるので、注意しましょう。
骨盤底筋群と呼吸の関係
骨盤底筋群がゆるむのは、加齢、筋肉の低下、妊娠や出産のためといわれていますが、姿勢も原因のひとつです。姿勢が悪いと骨盤底筋に過度な負荷がかかってしまい、筋肉が伸びて緩んだ状態になってしまうから。正しい姿勢を意識することも骨盤底筋群にとって重要です。
また、姿勢とも深いつながりがある呼吸とも関係があります。骨盤底筋群は臓器の底にありますが、臓器の上にあるのが横隔膜です。つまり骨盤底筋は横隔膜(呼吸)と連動しているのです。腹式呼吸で考えると、息をを吸う時つまり横隔膜が収縮するとき骨盤底筋群が下がり、逆に息を吐くとき横隔膜がゆるみ骨盤底筋が上がるのです。息を吸うと横隔膜が上がるようにイメージしてしまうかもしれませんが実は逆なので気をつけましょう。
どのように鍛えることができるのか?
腕や脚の筋肉と違って骨盤底筋群は触ることが難しく見た目にもわかりにくいので、なかなかどう動かしていいかわかりずらいと思います。最初はその位置を頭でイメージし、呼吸にあわせて動かしてみましょう。
骨盤底筋群を動かすには…
- お尻の穴を軽く締める
- おしっこを我慢するように力を入れる
- 膣口を閉じるようにする
- お尻や内ももに力が入り過ぎないようにする
まずは骨盤底筋群を10秒間意識して収縮させるようにしましょう。それができるようになったら呼吸とあわせて次のように収縮と緩和をくりかえしてみてください。
- 横になる:立ってもできますが、最初は椅子に座るか横になっておこないましょう。立っておこなうよりも骨盤底筋群を意識しやすくなります。
- 息を吐く:息を吐くと横隔膜がが引き上がり骨盤底筋群も一緒に上がります。このとき骨盤底筋群に力を入れて引き上げるようにします。
- 息を吸う:息を吸うと横隔膜が収縮して引き下がるとともに骨盤底筋群も下がります。つまり骨盤底筋が逆に緩むイメージです。
メモ
骨盤底筋群をトレーニングする際によく「おしっこを我慢する感じ」というような表現を使うことが多いのですが、実際おしっこを我慢するのはおすすめできません。提供力がないタイミングなどは膀胱炎になってしまう可能性があります。また放尿中にストップするのもNG。我慢するというのは、あくまでもイメージと考えてください。